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Vol.66 四人姉妹 [キューピーマジック]

座キューピーマジック公演『Vol.66 四人姉妹』に観に行ってきました。
今回の公演はいつもと違います。
今流行りのクラウドファンディングで出資を募った公演なんです。
確かに役者さんが多量のチケットノルマを抱えていると、時間的にも精神的にも腰を据えて稽古できないかもしれませんね。
役者さんも大変です…。

ということでワタシも一口乗らせていただきました。
少しでもお役に立てたとしたら嬉しいですね。
チケット付きのコースを選んだので、今回の公演はご招待扱い。

いつものように家族4人で申し込んでいたのですが、受験生の娘は直前に模試があったり、おまけに膨大に出された課題を消化できずに、あえなくキャンセルとなりました。
結局、ワタシとカミサン、そして中二の息子と、3人での観劇となりました。
楽日、日曜日のマチネです。

当日、娘は学校の自習会に出席するため学校へ。
朝、クルマで娘を送り、その足でそのまま下北沢に向かいます。
いつもより少し遅めの出発だったので、ちょっとギリギリかな?お昼食べる時間がないかも?と心配したのですが、大きな渋滞もなく、何とかお昼を食べてから会場入りすることができました。



会場入りすると、うらさびれたバーのセット。
客席の奥のほうにはバーのセットとは違う雰囲気のベンチが一つ。
これは何かある!きっと誰かが座るはず!と直感したワタシは、ベンチのすぐそばに席を取りました。
それが自分に何をもたらすかを知りもしないで…。

客入れの曲は昔懐かしいムード歌謡。
バーのセットと合わせて昭和な感じがいっぱいでした。
どの曲も懐かしくて、気づくと思わず口ずさんでいるワタシでした。
何曲流れたのか知りませんが、全曲フルコーラス歌えたワタシって…。
おまけに伴奏まで歌えました!(そこ自慢するところじゃないし)
もし女子高生連れてきてたら、絶対白い目で見られるところです(汗)。
でも、客入れのスタッフのお兄さんが曲に合わせて身体でリズムを取っていたのがとっても可愛かったです(笑)。


さてさて、いつもの長い前置きはこれくらいにして。
以下、ネタバレあります。
ご注意ください。





8年ぶりの再演となる『Vol.66 四人姉妹』。
『四人姉妹』と言えば個人的には思い入れがあります。
ワタシがキューピーマジックを初めて観たのが『Vol.12 四人姉妹』でした。
思えばあれからワタシのキューピーマジック人生がスタートしたのです(笑)。

初めて観た『Vol.12 四人姉妹』ではあのサテュロスはまだ出てきません。
それでもすごい楽しくて面白くて引き込まれたのを今でも憶えています。

サテュロスが登場したのは次の『Vol.25 四人姉妹』から。

「もふもふで可愛かったのーっ!」
「頭の角を触りたかったのーっ!」

と、大興奮のカミサンでした。
その後、四人姉妹に限って言えば、ずっと観てないですね。
劇団のサイトで確認すると…。
『Vol.38 四人姉妹』は息子の出産直前だったし。
『Vol.52 四人姉妹』は大雪だったり親父が入院したり手術したり。
だから四人姉妹はちょうど20年ぶりですっ!
いやはやもうびっくりです。

ブランクは長かったですが、ストーリーはほとんど変わってないですね。
あれから大きなリライトもなく続いていたんですね。
脚本が変わらないってことはやはり基本的に良くできた演目なんでしょう。

そういえば酒屋のお兄さんって、名前が金子良夫なんですね。
ワタシの記憶が正しければ、金子良夫って『Vol.20 愛をあたえることに疲れた天使と愛を奪うことに疲れた魔女の物語』(現演題:ムーンライト・セレナーデ)に出てくる、緊張すると気絶するっていう、あのぶっ飛んだキャラじゃなかったでしたっけ。
開演前にパンフレットを見てて、思わずカミサンと顔を見合わせてしまいました。
でも今回の舞台を観たところではキャラ的にはちょっと違うような気が。
名前は同じだけど別人なんでしょうか。
異なる演目間で横断的に登場する、御所河原さゆりみたいなキャラがまた増えたのか、と思って期待したのですが、違いますねきっと。

座長さんが胸を張るだけあって、特に良かったですねー、今回の公演。
登場人物それぞれの個性がキチンと感じられて皆さんがとても魅力的でした。

無駄に力が入らない自然な演技はキューピーマジックならでは。
芝居だとはわかっていても、舞台の上での役者さんは本当にそこに、リアルで生きて(死んでいる人もw)いるって感じました。
先に書きましたが、ワタシが座った席の真ん前は公園のベンチ。
霊能力者を探しに出かけた三姉とサテュロスが待ち合わせた場所でした。
探し疲れてぐったりしながら話している場面。
もうホントにね、目の前なんですよ。
そのまま手を出せば触れる(触りませんが)。
前かがみになれば匂いが嗅げ…(犯罪です)。

それくらい近くで観てて気付きました。
かすかな息づかいすらホントにリアルなんです。
他の人の台詞に合わせて「フッ」とか吐息が聞こえるんです。
あれ多分他の誰にも聞こえないですよ。
かぶりつきのワタシだけの特権。
観ていて鳥肌が立ちました。
役者さんってすごいですね。

ただ、そこで来るとは思わなかった。
「うんこの足跡つけて〜!」
20年前は最前列で、今回もまた目の前で、直撃弾を浴びました。
(うんこの直撃って言うと語弊がありますか?)
油断してたもんだからボディに効きました。内臓ねじ切れました。

そしてその後に出てくる、三姉+女神の、シンクロ振り付き「うんこの足跡」。
ここは三姉が女神の口を借りて見えない自分たちの存在を伝えようとする、かなりシリアスな場面。
そこでこれだもの。
可笑しさとお腹の痛さと息ができない苦しさと。(そんな歌あったような?すみません昭和で)
もうホント、涙流しながら身体よじって笑ってました。
昔の感想でも書いたことがありますが、キューピーマジックって泣きながら笑わされることが多いです。
それがまた気持ちいいんですよね。



物語的には、末娘の自立とか、生きがいってなんだとか、そういうお話なのかもしれません。
でもワタシが一番心をつかまれたのは、最後の最後。
三姉が旅立つ時に「もし生き返ったら何したい?」という問いに、長女が「お父さんとお母さんを許すっ!」って答えるシーンでした。(カミサンも同意見)

「ズキュン!」
もうね、胸元をライフルで撃ち抜かれた気分でした。
公演が終わって客席が明るくなるまでに体裁を整えるのに苦労しましたよ。





前にblogでも書いたんですが。
ワタシは本当に親父が大嫌いでした。
人間として嫌いでした。その存在自体が嫌いでした。

でも亡くなる前。まだ親父が入院していた頃。
ワタシは毎晩付き添いで病室に泊まり込んでいました。
いろいろあって、拘束具を着けられベッドに縛りつけられた親父を見つめながら、何時間も眠れずにいたものでした。
そういえばこれまでお互い避けてばかりいて、こんなに長い間一緒にいることは他になかったんじゃないかなぁ、と気づきました。
理由はどうあれ、そうやって一緒に過ごすことが、ちょっと嬉しかった気がします。

あの時、親父は何を考えていたのかな。
自分からしゃべることはないし、こちらから話すこともないので、いたって静かな病室でした。
あ、一回ふざけて看護師のフリをして声をかけてたら「ヘクダラズ言ってんなっ!」って怒ったことがありましたね。
(ヘクダラズ=屁のようにくだらないこと)
お〜正気の時もあるんだ〜って、驚いたり笑ったりもしましたが、今となっては、それが親父が息子を認識して面と向かって発した、息子への最後の言葉でした。

亡くなった後。
どうしたわけかワタシは遺影に毎日話しかけてます(心の中で)。
あれだけ嫌っていた父親なんですがね。
どうしてなんでしょう。
ワタシってこんなに親父が好きだった?と、自分で自分を笑ってしまいます。

病院に泊まり込んでいたあの数週間。
あの頃からワタシは親父を許していたのかな〜。
今回の公演を見終わった後、何となくそんなふうに思いました。
あの長女のようにきっぱりと宣言するほどじゃないけど、何週間もかけてじわじわと許したんでしょうね。きっと。
今親父に思うことは、そのほとんどが「感謝」です。
あとは少しの「後悔」と。
親父が生きているうちにその感謝を伝えられなかったのは、悪かったな、と思います。



「お父さんとお母さんを許すっ!」

20年ぶりに『四人姉妹』を観て、また一つ大好きなシーンが増えました。
そんなことを考えつつ、今日も遺影の笑顔に手を合わせるワタシです。

みなさんはいかがでしたか?

chirashi66.jpg

そうそう。
連れて行った中二の息子。
彼には少し刺激が強すぎたようです。

「右のおっぱい?それとも左のおっぱい?」


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